とうきょうエコ・コレクション

H25年度インタビュー第2回

エネルギー自立型住宅の提供で地域への環境貢献を-「隣組」コージェネでスマートコミュニティの構築へ-

●箱山 武弘(はこやま たけひろ)さん

 総務部部長。少年野球大会やサッカー教室の開催、海岸清掃等の地域貢献、高校生の環境活動への支援などを取りまとめている。「社風として、うちは社員の上下の隔たりはとても小さくて家庭的ですね」

●有川 敏隆(ありかわ としたか)さん

 技術担当。LPガスコージェネ、燃料電池等の開発当初から技術開発を担当。「ガス需要機器の開発を主として担当しきました。LPガス:ガスコンロ、給湯機⇒空調機⇒発電(家庭で自宅用電気を作る)…私の夢でした」

●井上 光司(いのうえ こうじ)さん

 エネルギーソリューション統括本部ソリューション部。ENEOSエネルギー診断士。若手の代表として「低炭素杯2013」のプレゼンテーションの壇上に立つ。「太陽光発電の補助金申請などで、クール・ネット東京にはなじみがあります」


【レモンガス株式会社の概要】

家庭用プロパンガス並びに同器具の販売、工業用LPガスの販売、太陽光発電・燃料電池の施工・販売、エネルギー自立型災害対応住宅システムの開発等。昭和17年錬炭販売の蒲田錬炭有限会社として発足、昭和35年LPガス事業開始。カマタ株式会社への社名変更を経て、平成3年「レモンガス」。従業員は約500名。LPガス販売会社としては大手に位置付けられている。

レモンガス株式会社は、25年前、他社に先駆けてLPガス・コージェネレーションを事業化し、燃料電池の実証試験も始めています。同社は、全社をあげた地球温暖化防止活動、地域への貢献活動で「低炭素杯2013」で金賞(企業活動部門)を受賞しました。その取組みについてお聞きしました。

低炭素、安全・自立型で地球温暖化防止に貢献

――御社は「低炭素杯2013」の企業活動部門で金賞を受賞なさっています。地球温暖化防止活動への取組みについてご紹介ください。


民間活動インタビュー 第1回

低炭素杯2013
賞状トロフィー


箱山 当社では、首都圏・静岡を中心に約30万世帯にLPガスを販売し、業務用としても大手外食チェーンをはじめ、全国約1200箇所の様々な施設にLPガスを供給しています。とくに家庭用は地域に密着していますから、それを販売していく中ですべての事業が派生してきます。超低炭素の住宅の開発や環境活動を通じて地域に貢献していくこともその一環です。


それに加えて、東日本大震災をきっかけに、LPガスが『災害に強いクリーンな分散型エネルギー』として見直されています。各家庭に置かれているガスボンベの『軒下在庫』が、暖房や炊き出しなどに役だったのです。低炭素、安全・自立型を追及していくことが地球温暖化防止への全社的な取り組みに繋がっています。


エネルギー自立型災害対応住宅システム

――低炭素杯2013では、「エネルギー自立型災害対応住宅システム」を日本で初めて完成し、商用化したと発表されていました。それまでの経緯を。


民間活動インタビュー 第2回

ALFY橋本(エネルギー自立型災害対応住宅)


有川 当社は練炭・豆炭の製造・販売事業からLPガス事業に発展してきました。このLPガスの持つ特性を最大限に活かしていく事が事業の原点にあります。業界に先駆けて25年以上も前からLPガスコージェネや燃料電池に挑戦してきた理由でもあります。


今日においてエネルギーに垣根はありません。エネファーム(家庭用燃料電池)、エコウイル(ガスエンジン発電機)を設置し、自宅で電気が作れる時代です。原発に多くの疑問が投げかけられている昨今、環境に優しい高エネルギーの特性を持つLPガスを利用した機器の普及に務めていきたいと思います。




「創エネ」「少(省)エネ」「蓄エネ」の組み合わせ

――資料には「創エネ」「少(省)エネ」「蓄エネ」の組み合わせと書かれています。技術的な内容を教えて下さい。


有川 いや、新しい技術はなにもないのです。創エネはエネルギー供給にコージェネや燃料電池、太陽光発電などを組み合わせること。省エネという意味では、超高断熱窓、LED照明の採用と、光や風、緑を活用できるパッシブな住宅構造にすること。蓄エネはリチウムイオン蓄電池、とくに電気自動車の使用済みバッテリーの二次利用などです。何も珍しいことではありません。


単に、太陽光やエネファームを付けたからいいやというのではなく、これらの良い点を取り入れながら、一つの建物に上手にアッセンブリーさせて、うまくエネルギーを利用していこうというアイデアです。加えてこの住宅システムはセントラル給湯方式で、各戸には給湯器が設置されていないにもかかわらず、今のファミリー世代のニーズに合わせて個別にお風呂の追い焚きができる機能を付加してあるなど、きめ細かな工夫が評価されています。

トリジェネによる農業の高付加価値化

――ところで、「トリジェネレーションによるCO2の固定化が農業の高付加価値化をもたらす」とありますが、どんな内容ですか?コージェネレーションという言葉はなじみがありますが、「トリジェネ」の「トリ」って「三つ」のことですよね。



民間活動インタビュー 第2回

トリジェネハウス


有川 コージェネとはLPGを利用し、発電その時の排熱を利用して給湯や暖房に使うという、一挙両得の使い方です。トリジェネというのは、発電時に発生するCO2までも更に利用しようということです。『CO2を悪玉から善玉に変えよう』と、言う事です。


CO2は地球温暖化の元凶とされていますが、植物は光合成でCO2を吸って酸素を出している。ですから農産物の高付加価値化に利用できる。温室のなかにコージェネから出てきた排気を浄化して1,500ppmぐらいのCO2を温室の中にいれてあげると、糖度の高い立派なトマトが育ちます。


最初は手作りの実験設備のようなものでしたが、今は「レモンタウン八王子」内に設けたトリジェネハウスでトマトとLサイズのバラを育成して、その有用性の実証活動を進めています。

地域コミュニティセンターとしての「レモンタウン八王子」

――地域での環境活動について教えて下さい


箱山 やはりLPガスって地域密着型の商売ですから。さきほどの「レモンタウン八王子」は地域密着型をコンセプトとしたスマートハウスで、トリジェネハウスのほか、屋上緑化やヨシズの利用、太陽光発電、EV用急速充電器、エコファーム、エコウィルなどを設置してLPガスの有効利用を提案しています。


環境学習センター的なもので、エンドユーザーの集会所として施設を開放することもできます。要は昔の公民館なんです。そのほか社外活動としては、少年野球大会やサッカー教室の開催、全社員での海岸清掃などさまざまです。毎年イベントカレンダーを作って実施していますが本当に盛りだくさんですね。

高校生の低炭素化活動を支援

――高校生の取組みを支援していると聞きました。


民間活動インタビュー 第2回

レモンハウスでの屋上緑化(ノシバ)


箱山 じつは一昨年の低炭素杯2011で、京都の桂高校さんが、ノシバという日本古来の芝なんですが、このノシバを利用して、温暖化・水消費を抑える緑化システムの普及に取り組んで、準グランプリを受賞しています。それに続いて、栃木農業高校さんが、「農村のヨシズ産業の活性化および節電対策としてのヨシズの普及」というテーマで2012年のグランプリを受賞しているのです。そこで彼らのお手伝いを何かできないかということで。


有川 彼らはノシバやヨシズで良いものを作っても販路をみつけるのも難しい。それに高校の活動ですから資金もあまりない。そこでうちで買っていろいろ使ってみようということです。「レモンタウン八王子」の窓にヨシズを掛けたら2℃下がったというデータも出ています。ノシバは屋上緑化です。波板の上に網をひいていろいろやってみた。でも下手だから、やっぱり最終的には枯らしちゃったんです(笑)。失敗もありますよね。トライ・アンド・エラーです。


井上 このノシバについては、桂高校のみなさんを「レモンタウン八王子」にお招きして、地域住民の方々と社員参加で「ノシバによる屋上緑化」というテーマで環境ワークショップを開催しました。

全社員参加の「環境・安全コンシュルジュ・イニシアティブ」

――井上さんの名刺には「ENEOSエネルギー診断士」とありますが、これは?


井上 エネルギー診断の資格の一つです。ご家庭を訪問して、電気やガスの使用量や使い方をお聞きして、どうしたら省エネになるか、電気代、ガス代の節約につながるかを具体的にアドバイスするのです。太陽光発電の設置を相談されることもあるので、補助金申請の手続きなどをお手伝いもしています。


うちではこの「エネルギー診断士」ばかりでなく、「救命技能検定」などの資格も、特定部署の担当者だけでなく、あらゆる部署の社員がチャレンジしていますね。


箱山 これを「環境・安全コンシュルジュ・イニシアティブ」と呼んで展開しています。2015年までの目標は、「救命技能検定」が社員全員、「エネルギー診断士」が50%です。

「隣組」コージェネレーションでスマートコミュニティを

――今後はどのような取組みを。


民間活動インタビュー 第2回

箱山さん(左)と有川さん(右)



有川 たとえば20軒の戸建て住宅の一軒一軒を自営線で繋ぎます。中央にLPガスの地下埋設バルク貯槽と貯湯槽を設置した小型のコージェネ設備を組みます。これを当社では「隣組」コージェネと呼んでいますが、これに各建屋が適宜ソーラー発電やエコキュート、プラグインの電気自動車をもって、これらを有機的に連携して電気やガスを融通しあえるようにすれば、低炭素でエネルギー自立型のコミュニティができあがります。


20軒でなく、規模が大きくなっても理屈は同じですが、その規模に応じた設備の制御が必要ですね。また、電気事業法でクリアしなければならない問題点はありますが、関係行政と打ち合わせを行いながら進めて行きたいと思っております。


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