とうきょうエコ・コレクション

H28年度インタビュー第2回

 

中野区の「なかのエコポイント」制度に「環境商品コース(エコマーク事業)」を新設

 

●中山 翔太(なかやま しょうた)さん

中野区環境部地球温暖化対策分野 地球温暖化対策担当

●石川 友香(いしかわ ゆか)さん

中野区環境部地球温暖化対策分野 地球温暖化対策担当

中野区では、平成26年5月に「なかのエコポイント」制度で、「環境商品コース(エコマーク事業)」を開始しました。

なかのエコポイントは、平成23年度に始めた家庭向けの「CO2削減コース」と、エコマークに絞った、主に団体向けの「環境商品コース」があります。エコマークをポイント化して区内共通商品券を提供する試みは、自治体主導の施策では初めてとのこと。このため、「エコマークアワード2014」で特別賞を受賞しています。また、区内小学校のPTAも参加し、一層の盛り上がりをみせています。この制度を担当している中山翔太さんと石川友香さんに話を伺いました。

家庭部門のCO2排出量が全体の半分を占める中野区

――なかのエコポイントの制度は家庭を対象とした「CO2削減コース」から始まったとお聞きしました。きっかけはどのようなことだったのでしょう。

 

民間活動インタビュー 平成28年度第2回

中山 翔太さん

中山  中野区では家庭部門のCO2排出量が全体の半分を占めています。ですから、区の地球温暖化防止対策を進めるには、まず家庭での対策が焦点になります。そこで家庭で省エネをしていただくために、どのようなインセンティブを付与するか検討してきました。その結果、電気と都市ガスを対象に、1年間使用量を削減した分にエコポイントを提供する仕組みを作り、平成23年度に開始予定でした。

ところが、年度開始前の3月11日に東日本大震災が発生したため、この年は電気だけに絞って、節電と電力のピークカット、ピークシフトを呼びかけました。区民の皆さんには大変協力をいただきました。ですから、都市ガスも併せた実施は平成24年度からです。

 

 

1年間の電気とガス使用量の削減量に応じてポイントを付与する「CO2削減コース」

――「CO2削減コース」はどんな仕組みになっているのでしょう。

 

中山  まず「なかのエコポイント」へ参加登録をします。区民活動センターや図書館などで配布しているチラシやインターネットで申込ができます。区から取組方法のご案内やポイント申請用紙、検針票を貼る台紙が郵送されるので、登録した月から1年間省エネに取り組んで、12か月分の検針票を集めて区に提出してもらいます。ポイントは、前年と比較したCO2削減量1kgごとに10ポイントがたまります。電気と都市ガスの使用量でいうと、電気10kWh削減で約40ポイント、都市ガス1㎥削減で約20ポイント相当です。認定されたポイントに相当する賞品が郵送で自宅に届きます。1ポイントが1円で、500ポイント単位で500円相当の区内共通商品券、プリペイドカードへの交換や、中野区環境基金への寄付に利用できます。

 

 

「エコチャレンジ振り返りレポート」「エコチャレンジ行動レポート」でもポイントがもらえる。

 

民間活動インタビュー 平成28年度第2回

石川 友香さん

石川  ほかにもポイントがもらえる仕組みがあるんです。例えば、「CO2削減コース」の参加登録申込書に「エコチャレンジ振り返りレポート」という欄があります。なかのエコポイントに参加する前の省エネへの取組みについてここに記入すると申請時に100ポイントが付きます。それから「エコチャレンジ行動レポート」というレポートもあって、これはポイント申請書の裏面に取り組んだ省エネの内容を記入するとポイントが付きます。これは1か月につき150ポイント付くので、12か月分記入すると1,800ポイントにもなるんです。区民の皆さんに参加していただくことが第一ですから、いろいろな工夫を凝らしています。

 

 

なかのエコポイントに「環境商品コース(エコマーク事業*1)」を新設

――平成26年度には、なかのエコポイントに「環境商品コース」を新設しています。これをはじめたきっかけは?

 

中山  はい。中野区には地球温暖化防止のための4つの対策を定めた「中野区地球温暖化防止条例」があるのですが、その対策の1つに「環境に配慮した製品やサービスを選びましょう」というものがあります。環境商品コースは環境に配慮した製品やサービスを選ぶ取組みのインセンティブとして加えられました。

 


――環境ラベルにはエコマークのほかにも色々ありますが、エコマークを選んだ理由は何でしょう。

 

中山  まず、日用品、文房具、衣類など多様な商品に付いていますから、区民の方もなじみがあり、目につきやすいだろうと。事務用品などにも付いていますし、企業や団体でも購入するのではないか。それから、ISOの認証を受けたマークで、第三者機関の日本環境協会が認証していますから、公平性・客観性が保たれている点です。

 

 

*1エコマークについて:「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられるマーク。消費者が環境を意識した商品選択を行い、企業が環境改善の努力を進めていくことで、持続可能な社会の形成を図ることを目的に、公益財団法人日本環境協会が1989年から実施している。国際標準化機構(ISO)の規格に準拠して運営されている。生活用品、繊維製品、OA機器など幅広い商品・サービスを対象とし、商品のカテゴリーごとに定められた認定基準を満たしたものが日本環境協会によって認定される。身近なものでは、ノートや鉛筆、のりなどの文具品、食品トレイ、卵パック、トイレットペーパーやティシュペーパーなどにもマークがついているものがある。

 

 

PTAを中心に、徐々に広がりを見せる「環境商品コース」

――「環境商品コース」ではどのようにポイントをためるのでしょう。

 

中山  私どもで準備したエコマーク台紙をご利用いただきます。環境商品コースのチラシの裏が台紙になっていますし、たくさん使われる小学校PTA向けには専用の台紙をご用意しています。エコマークが集まったらその台紙に貼って、まとめて区に提出します。学校によっては私どもで手作りしたエコマーク台紙回収BOXも置いてもらっています。エコマーク1枚が5ポイント(5円相当)で、100枚ごとに区内共通商品券等500円分になります。

 

エコマークチラシ   

エコマークチラシPDF

 

 

――参加者はどのくらい?

 

中山  平成26年の5月に始めたのですが、1年目の実績は団体・事業者はゼロ、個人で1件の申請がありました。平成27年度は、小学校のPTAから3件、事業者から1件でした。最も多かった小学校からは750枚の提出があり、3,750 ポイントを獲得、商品券3,500円分を受け取られています。さらに今年4月にはなかのエコポイント「環境商品コース」の表彰式があり、区長から表彰状と賞品をお渡ししました。

 


――今年度の状況はいかがでしょう。

 

中山  取組む団体は徐々に増えてきていますね。区でもポスターの掲出や広報紙への掲載で積極的にPRしていますし、小中学校のPTAの会合などでこの制度の説明をして参加をお願いしています。いまのところ、小学校が6校、事業者と産業団体が1件ずつで、計8団体が取り組んでいると聞いています。マークを集めるにはそれなりの期間が必要ですが、これが全部申請に繋がればと期待しています。

 

 

「“これにエコマークついてるよ”という声はうれしかったですね。」

――参加された方々の反響はありましたか?

 

石川  それを知りたくて、参加した小学校1校のPTAにアンケートをお願いして、19名の保護者から回答をもらいました。「景品が良いので楽しみ」「エコマークについて知ることができた」「子供とゲーム感覚でできた」など良かった点があげられている一方で、「見つけにくい」「切り取りづらい」という声もあります。それから自由意見には「今まであまり気にしていなかったエコマークですが、いろいろなものについていて、子供と買い物に行くと“これにエコマークついてるよ”と持ってきてくれます。親子でエコマークについていろいろ調べることができました」というのがありました。うれしかったですね。

 


中山  お子さんがマークを見つけるのを楽しんでくれているようで、こうした声が増えてくれればありがたいです。

 


石川  PRするにしても大人向けばかりでなく、子供から親御さんに働きかけをしてもらえるような方法も必要だということで、チラシやさきほどの回収BOXも手作りで楽しいものを心掛けています。じつは、職員が「エコマークを集めよう!」というマンガを描いていて、来年度配布することを目指しています。

 

 

 

 

手作りしたエコマーク回収BOX

手作りしたエコマーク回収BOX


「段ボールを再利用して作っています」と中山さん。

 

「エコマークを集めよう!」マンガ

「エコマークを集めよう!」マンガ


作者(中野区担当職員)はマンガ家?

プロ顔負けの力作を来年度から配布予定。

 

環境教育の一環としてのエコマーク集め

――ところで、どんなものについているマークが集まってくるのでしょう。

 

中山  食品トレイ、卵パック、文具などです。トレイと卵パックは日常的に消費されるため多いです。文具でも100円しないものにも付いています。100円でエコマーク1つ(5円)なら、5%分です。


 

――親子でマークを集めているお話がありましたが、制度を通して子供たちに期待することは?

 

中山  はい。子供たちが集めていく中で関心を持ってもらいたい。小学校で環境に配慮した生活について学ぶのは中高学年になってからです。したがって1,2年生にエコマークのライフサイクルについての勉強は難しい。

ですから、まずはエコマークを見つけること、集めることを楽しんでもらう。そして漠然とでもいいので環境に配慮した商品についているマークだと知ってもらうこと。それが後になって地球温暖化や環境問題に興味をもってもらうことに繋がっていくことを期待しています。

 

 

他の区にも広がる「環境商品コース」の取組み

――この「環境商品コース」の取組みは「エコマークアワード2014」*2で特別賞を受賞していますね。

 

中山  はい。エコマーク認定を受けた商品やサービスのうち特に優れた取組みに授与される賞なのですが、自治体としての独自の取組みとして特別賞をいただく栄誉にあずかりました。

 

 

 

 

*2中野区の「エコマークアワード2014」特別賞受賞について、日本環境協会のプレスリリースでは次のように記載している。「…2014年には商品に付いているエコマークを活用して「環境に配慮した製品やサービスを選ぶ」ことによる地球温暖化対策を通年で推進している。こうした自治体による施策は他に例がなく、区民が環境に配慮した製品やサービスを意識する機会を増やすとともに、エコマーク商品の普及に大きな期待ができる取組みであり、…他の自治体等にも広く推奨すべき取組みのモデルとして高く評価された。」

 

 

 

中山  中野区では毎年、区民・事業者がCO2削減への具体的な取組みを始める契機とするために、事業者や自主団体等のブース展示やステージショーを行う「なかのエコフェア」を開催しているのですが、こうしたご縁もあり、2015、2016と2年続けて日本環境協会エコマーク事務局にブースを出展いただきました。

 


石川  この「なかのエコフェア2016」では、なかのエコポイント「CO2削減コース」の成績優秀者の表彰式も行われました。「CO2削減コース」は世帯単位の参加が前提ですから参加者が多いのですが、エコマークの提出もだんだん増えており、区民に浸透してきていると感じています。

 

平成27年度なかのエコポイント「環境商品コース」表彰式の様子

平成27年度なかのエコポイント
「環境商品コース」表彰式の様子

 

(表彰式詳細:中野区ホームページ


中山  中野区だけでなく、本年度から他の区でも同じような取組みを始めました。今後はさらに、他の自治体でもエコマークを使った制度や仕組みが広がっていけばいいですね。エコマークを貼る台紙や台紙を入れるBOXにもちょっとした工夫が必要なのです。そうしたノウハウはどんどん他の自治体にも提供していきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

普及連携チーム

電話:03-5990-5064  FAX:03-6279-4697

▲ページTOPへ戻る

Page Top ページの先頭へ