小規模事業所コミュニティの省エネ推進支援モデル事業(平成25年度)
平成25年度
エリアレポート(荒川区)
荒川区では、『べるぽーと汐入商店街』がモデル地区として参加しました。
べるぽーと汐入商店街(荒川区南千住8-4-5) |
べるぽーと汐入商店街は、西館と東館で構成されます。西館は路面店舗となり、東館は屋内店舗となります。飲食店・物販・理美容・学習塾・スーパー等、生活に密着したおよそ30店舗が軒を連ねています。
7月末から8月の真夏に省エネ診断と電力使用状況の計測を実施しました。
参加事業者(9店舗)
・東館
ラ・ボンヌオカモト(寝具・衣料品販売)
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西宮酒店(酒屋)
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岡田生花店(花屋) |
・西館
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ますや(蕎麦屋)
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参番館(喫茶・パブ)
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米匠しずく(米屋)
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マンドール(理容)
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田村とうふ店(惣菜屋) | 松本屋(蕎麦屋) |
べるぽーと汐入商店街エリア総括
今回省エネ診断を実施した9事業所は、東日本大震災以降、半数が主に照明中心に何らかの対策を実施していました。一方、半数はエネルギー使用量が管理されておらず、コスト削減と省エネとの関連性が認識されていない部分も見受けられました。
すでに取り組まれている対策と提案した対策を下記に抜粋してご紹介します。
すでに取り組まれている対策
照明:点灯管理
晴天日には屋外の日照を活用し屋内は消灯する、曇りや雨の日等は点灯する等、必要に応じて照明の点灯管理をしていました。
オープンショーケース:ナイトカバーの使用
夜間等、ナイトカバーを使用し、オープンショーケースの保冷を実施していました。ナイトカバーの使用で冷気の漏れを防ぐことにより、年間消費電力を約5%程度削減できるほか、防塵のメリットもあります。
ナイトカバーの例 |
提案した主な対策事例
照明:調光または間引きによる照度低下
店舗照明の数や種類が店舗面積の割に過剰である場合、電力使用量も多くなるため、照度を計測しながら調光率を低下したり、蛍光灯の数を間引きする対策等を提案しました。
なお、対策の実施に際しては、JISの照度基準(JIS Z9110 照明基準総則)を参考に照度調整を実施することをお勧めしています。
調光位置の明確化 |
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調光前 522lx | 調光後 427lx | |
スポットライト51灯×59W×2,850h/年=8,576kWh/年 |
スポットライト51灯×55W×2,850h/年=7,995kWh/年 |
削減効果 | 年間消費電力削減量 | 581 kWh/年 |
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年間削減金額 | 16千円/年 | |
CO2削減量 | 0.2t-CO2/年 |
蛍光灯間引きの様子 |
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蛍光灯間引き前 | 蛍光灯間引き後 | |
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蛍光灯間引き前照度 1,251lx | 蛍光灯間引き後照度 1,112lx | |
ツイン蛍光灯×36W×3本×7灯×2,700h/年=2,041kWh/年 |
ツイン蛍光灯×36W×2本×7灯×2,700h/年=1,361kWh/年 |
削減効果 | 年間消費電力削減量 | 680 kWh/年 |
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年間削減金額 | 18千円/年 | |
CO2削減量 | 0.3t-CO2/年 |
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共用部分の対策
東館は屋内店舗であるため、共用部分(廊下)に空調・照明があります。診断時に照明の照度が1,000lx以上ありかなり明るく、また、真夏の空調温度が低めでした。
その後、商店街で自主的に照明の間引きを行い、消費電力量の削減に努めています。
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共用部分(廊下)の様子 /廊下の照度 |
蛍光灯を間引き |
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☆共用部分の蛍光灯間引きによる省エネ効果
東館/110W×24本×12時間×365日=11,563kWh/年(4.42t/年)
西館/36W×3灯×13台×12時間×365日= 6,150kWh/年(2.35t/年)
金額にすると年間でおよそ45万円のコスト削減になります!
CO2削減量
※8事業所について省エネ診断後の直接的なCO2削減量(実績値)
7.08 t-CO2/年(削減率8.87%)
*直接的なCO2削減量は、診断実施全9事業所の内、診断後の電気・ガスの使用量のお知らせを提出した8事業所の数値のみで算出した。
*上記削減量に共用部分の削減量は含まれない。
*CO2排出係数は、「総量排出義務と排出量取引制度における特定温室効果ガス排出量算定ガイドライン(東京都)平成25年3月版」より、電気:0.382㎏-CO2/kWh 都市ガス:2.28㎏-CO2/m2を使用して算出した。