小規模事業所コミュニティの省エネ推進支援モデル事業(平成25年度)
平成25年度
エリアレポート(江東区)
江東区では、『江東エコライフ協議会』と連携し、「江東区エコポイント制度」の事業者モニターがモデル地区として参加しました。30事業者のうち17事業者に省エネ診断を行いました。(なお、残りの13事業者については、当センターが実施する東京都の中小規模事業所向け省エネ診断を行いました。)
「江東区エコポイント制度」は、江東エコライフ協議会が試行実施している制度です。試行実施にあたりモニター事業者は、1年間のモニター活動の初期に省エネ診断を受診します。省エネのプロのアドバイスを元に、モニター活動の指針を確立し、「江東区エコポイント制度」の対象活動を中心に、具体的なCO2削減活動に取り組みます。
制度試行実施開始直後の10月に省エネ診断と電力使用状況の計測を実施しました。
参加事業者(17事業者)
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ペル・エ・メル(パン製造販売)
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丸山製作所東京本社 (遊具・エクステリア製造販売)
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パティスリーSAKURA(洋菓子店)
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中村繊維工業(繊維製造業)
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能登屋(和菓子・惣菜製造販売)
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富山屋酒店(酒屋)
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MYG靴専科 門前仲町店 (革靴・バッグ修理) |
伊勢信(酒屋) |
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徳善( たばこ・化粧品販売、エステ)
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丸定(味噌販売)
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シラカワサービス (オートバイ・自動車販売)
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美容室ワンハート (美容室) |
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群馬屋商店(衣料品販売)
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岩崎襖工業(内装・襖工事)
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いかり屋(居酒屋)
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淀野商店(葬儀社)
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ブティックヒバナ(衣料品販売) |
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江東エコライフ協議会エリア総括
エコポイント制度の試行実施モニターに自ら応募した事業者のため、環境・省エネに対する意識は他者と比較して高く、今回省エネ診断を実施した17事業所は、8割がエネルギー使用量の管理がされていました。また、6割がすでに高効率型の照明(主にLED)を採用しており、3割が空調機を更新していました。
省エネルギーはコストの削減であることを認識し、積極的に取り組んでいる様子が窺えました。
すでに取り組まれている対策と提案した対策事例を下記に抜粋してご紹介します。
すでに取り組まれている対策
照明:点灯管理
照明スイッチを細分化し、作業エリアを限定して点灯したり、間引き点灯をするなど、ムダを省く点灯管理が行なわれていました。
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照明:スポットライトをLEDに更新
2年前にスポットライトをLED照明に更新したところ、電気料金が26万円/月→22万円/月に減額したという事業所がありました。。
スポットライトをLED照明に更新 |
空調機:定期的なフィルター清掃
多くの事業所で、エアフィルターの定期的な清掃を実施していました。
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風の流れをよくすることで、そのエアコンに対する消費電力を約5%削減することが可能です。 |
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提案した主な対策事例
照明:電球型蛍光灯をLEDに更新
電球型蛍光灯を店舗のベース照明として常時点灯している場合、同等の明るさのLED電球に更新することで消費電力の低減になります。
横向きのダウンライトの場合には、ランプ全体の明るさが必要な照明器具に対応するLED電球が適しています。(7.7Wのものがあります) |
削減効果 | 年間消費電力削減量 | 419 kWh/年 |
改修費用 | 5.6千円 |
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年間削減金額 | 10.6千円/年 | 単純回収年数 | 0.5年 | |
CO2削減量 | 0.16t-CO2/年 | |
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空調機:室外機まわりの省エネ対策
屋上に室外機が複数台設置され、互いに干渉して吸込み温度を夏は上昇、冬は低下させ、効率が低下する状態となっている事業所がありました。未着装の10台に上吹出ガイドを取り付け、互いの干渉を軽減することで空調用の消費電力を削減することができます。
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削減効果 | 年間消費電力削減量 | 1,883 kWh/年 | 改修費用 | 182千円 |
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年間削減金額 | 38千円/年 | 単純改修年数 | 4.8年 | |
CO2削減量 | 0.72t-CO2/年 | |
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その他:デマンド対策
50kW以上500kW未満の業務用電力・高圧電力Aの場合、契約電力は、当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力の最も大きい値になります(実量制)。
当該事業所の現在の契約電力は、2013年8月の最大需要電力である50kWとなっていました。
消費電力の大きな機器を同時に使用しない等工夫し、今年の7,8,9月に2013年7月と同じ46kWに抑えることができれば、9月から契約電力が46kWとなり、基本電力料金¥1,638円/kW×4kW=6,552円/月が削減できます。
☆デマンド対策の要点
1)同時運転・同時起動の回避
・電力使用の大きい設備の同時運転を避ける。
・空調機などは起動後、通常運転に達するまでフルに電気を使用するので、複数台を同時に起動しない。
2)デマンド監視装置の利用
・電力使用量を常時監視、設定値を超えることが予想される場合警報を発する。
・記録ができるものは省エネ対策の立案、効果確認に利用できる。
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デマンド監視装置の例 |
CO2削減量
※12事業所について省エネ診断後の直接的なCO2削減量(実績値)
7.75 t-CO2/年(削減率3.35%)
*直接的なCO2削減量は、本スキームでの診断実施全17事業所の内、診断後の電気・ガスの使用量のお知らせを提出した12事業所の数値のみで算出した。
*CO2排出係数は、「総量排出義務と排出量取引制度における特定温室効果ガス排出量算定ガイドライン(東京都)平成25年3月版」より、電気:0.382㎏-CO2/kWh 都市ガス:2.28㎏-CO2/m2を使用して算出した。