エコオフィスへの道

クール・ネット東京は、平成27年10月に新宿NSビルへ移転しました。 このブログは、移転を機にテナントビルでのエコオフィスを目指し、検討する様子や舞台裏などを記録し、解決までの道のりを参考にしていただくことを目的として始めました。日々見守っていただければ幸いです。

残業時間削減の取組

2016/12/01



皆様も各種報道で耳にされている通り、小池東京都知事の方針により、長時間労働是正のため都庁職員は「残業ゼロ・20時退庁」に取り組んでいます。


当センターもその方針に則り、職員に周知のうえ残業時間削減に取り組んでいます。


具体的には20時以降残業の原則禁止のほか、会議時間の短縮、毎週水曜日などの定時退社日の一斉通知メールや所属長への届なしの残業禁止、管理職からのこまめな声かけ等です。


これまでは、昼休憩時間の開始と終了時にのみ鳴らしていた時計の時報を、17時45分の業務終了時と20時にも鳴動させるようにし、仕事に没頭しているときでも五感で気づくような対策をとりました。

周囲がみんな「残業を減らす!」という強い意志で情報発信し行動していけば、職員の意識も自然に「定時で終わるように処理しよう」と変わっていくもののようです。


その効果が、下のグラフです。

 

今年度上半期の全チームの残業時間を合算した月ごとのグラフです。


残業時間は6月をピークにどんどん減り続けており、4月5月と比較しても減っているのが一目瞭然です。

10月に限って言えば、前年比45%減です。昨年の10月は事務所移転があったため、通常業務に加えて移転事務もあり、通常よりも残業は多かったと推測はできますが、それにしても45%減とはすごいです。


年度末に向けて仕事が増える中でこの大幅減を継続するのは難しいことですが、せっかく意識の変化が出てきているので、より一層効率を上げてどうにか継続していければと思っています。



残業が減るということは、照明やパソコンなど使用する機器の消費エネルギー量削減にもつながります。

 


このグラフは11月18日の本ブログ「エネルギー使用状況などについて(総括)」にも掲出した消費電力量(日割り原単位)です。


昨年の10月13日より新事務所で業務開始したため、昨年10月のコンセント使用量は参考値ですが、コンセント平均値がこの8月~10月で初めて減りました。サーバをクラウドに移行したことも要因ではありますが、残業時間削減も要因と考えられます。


もっとわかりやすいのは照明です。照明の平均値がこの8月~10月でこれまでになく減っています。要因は残業時間削減以外には考えられません。


省エネとは別の切り口から始まった残業時間削減の取組ですが、図らずも消費エネルギー量削減に結び付きました。

今後は残業時間もエネルギー消費量とともにウォッチしていきたいと思います。


 

A


 

 

 

反射パネルを使った実証実験

2016/11/25



B&A事業では、皆様に自社の省エネの参考としていただけるよう、基本的な省エネの工夫・取組みはもちろん、実験的な意味での省エネの取り組みも行っています。


先日のブログでは採光ブラインドについてご紹介しました。(詳しくはコチラ

今回は、反射パネルについてご紹介します。


10月末頃から、センターの一部に「光ダクト」で有名な株式会社マテリアルハウスの高性能反射パネルを設置しています。


反射を繰り返しても光の減衰が少ない反射パネルは、「光ダクト」などに使用すれば、自然光を取入れ反射の連続で光を運ぶ採光システムになります。この採光システムを利用すれば、窓がない下層階でも自然光を届けることができ、エネルギーを一切使わずに明るさを確保することができるようになります。


※詳細については、株式会社マテリアルハウスのWEBサイトをご覧ください。



本来、高性能反射パネルは「光ダクト」などのように施工・加工して使用しますが、当センターでは窓枠の高さに合わせたローキャビネットの上に設置して窓からの自然光を天井へ反射させ、より室内の奥まで光を入れられないか実験中です。


(設置している反射板の様子)

 


センターの中で自然光を取入れられるのは、当然ながら窓しかありません

この窓からの自然光を、エネルギーを使わずに少しでも有効活用する術を模索していたところ、この反射パネルを見つけました。

そこで、株式会社マテリアルハウスへ窓からの自然光の有効利用についてご相談したところ、実験にご協力いただけることになり今回の設置に至りました。



(昼休みに窓の光が入る様子)

 


設置しているのは手前の窓ですが、写真奥の窓に比べて光が天井方向に伸びているのがわかります。


現在、反射パネルは平置き、ブラインドのスラットは平行の状態で、照度などを計測していますが、今後、設置方法、スラットの角度変更など検証を進めていく予定です。


採光ブラインドと合わせて、次回のアンケート調査で、この反射板の使用感を聞いてみたいと思います。





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エネルギー使用状況などについて(総括)

2016/11/18



昨年10月に、新宿NSビルに移転してから1年が経過しました。

エネルギー使用量のデータなども1年分揃ったことで、省エネの基本である「エネルギー使用実態の把握」が初めて当センターでできたということになります。

ここで改めて1年を振り返ってみたいと思います。



 


移転当初は、照明を全灯しており照度は1,000Lx前後ありました。

都庁舎では500~600Lx程度でしたので、倍の明るさに「明るすぎる」「目が痛い」などの不快感を訴えた職員も多くいました。


そこで、省エネと執務環境の向上の2つの面から12月の上旬に全体的な照明の間引きを行いました。

これにより、照明の平均値が大幅に下がり、職員からも「ちょうど良い」という声が増えました。


さらに、5月末にも部分的な間引きを行いました。これは、試験的な意味合いで行いました。当初は全体でさらに間引くことを予定していましたが、照度が500Lxを下回ることに懸念する声もあり、一部のみでの実施となりました。ただ、この間引きにより、少しではありますが照明の平均値が下がっています。


試験的に間引いたエリアでは、今のところ「ちょうど良い」という声が多いですが、「暗い」と感じる職員もおり、このエリアの職員の声は今後の対策にとって大切な情報になります。



コンセントについては、この1年間は主に電力使用量の内訳を把握すること、無駄な電力が無いか調査することに注力していました。

8月中旬には、センター内に設置されていたサーバの一部をデータセンターへ移行することができ、コンセントの平均値も多少下がっています。


当Before&After事業では、いきすぎた省エネ対策にならないよう、季節ごとや対策実施前など適宜、職員に対するアンケート調査を実施し、快適性も考慮してきました。

毎回のアンケート結果は本ブログにも公開していますが、センターには80名もの職員が在籍しており、毎回実に様々な意見が挙がります。


1年経過したことで、季節ごとの体感データも出揃いました。

これから2回目の冬を迎えますので、この1年間で実施してきた対策がこの冬の執務環境にどう影響するのか、また、この10月に実施を予定していた照明回路及びレイアウト変更の省エネ改修について、見直すことになっている実施時期の再決定も含めて見守っていただけると幸いです。



さて、Before&After事業は2年目に突入しました。

我々の取り組みが、多少なりとも皆様の参考となっていれば嬉しく思います。

今後も頑張っていきますので、引き続きおつきあいください。





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採光ブラインドの設置

2016/11/10



この度、センターの会議室に採光ブラインドをテスト設置しました。


テナントの立場でできる窓周りの省エネ対策を昨年から検討している過程で、シャープ株式会社の採光フィルムの存在を知りました。


同社に問い合わせ、模型での採光技術再現の様子などを体感するなどして、当センターの窓の対策として適当かどうか検討を重ねていましたが、採光フィルムの応用技術として、採光ブラインドを開発中との情報をいただきました。

写真や使用感のデータ提供を条件に試験的に設置できることになり、テスト設置することとしました。



採光ブラインドは、シャープ株式会社で開発した採光フィルムをブラインドのスラット用に応用したもので、ブラインドを閉じたままでも外光を取入れ室内に拡散してくれます。

光を天井へ反射させ室内の奥に届けるため、照明が多少暗くても室内の明るさを確保することができ、照明の消費電力量を削減することが出来ます。


実際に設置前と、設置後では部屋の明るさ感が全く違いました。


(左:採光ブラインドスラット全閉、右:既存ブラインドスラット全閉)


上の写真、左側は採光ブラインド、右側は既存ブラインドです。


この日は曇っていましたが左側は光が拡散しているのがわかります。


他のビルでは天井面ぎりぎりまで窓になっているケースが多く、目線から上の部分だけを採光スラットにしてももっと広い面積を採光部にすることができるようですが、センターでは天井から窓までの間に壁があるため、窓の上辺から1/3程度を採光スラットにしてあります。


既存のブラインドは全閉にした場合、当然のことながら光はほとんど入ってきません。センターでは、空調効率の観点から会議室を使用しない時にはスラットを全閉にするルールとなっており、未使用時は暗い状態でした。


採光ブラインドの場合には、全閉にしていても明るさは取入れることができるので、窓からの熱気や冷気などを防ぎながら明るさを得られます。


さっそく設置に気が付いた職員からは「明るくて良い!」といった感想が得られました。



今後、使用感などについて職員へアンケートを取ってみたいと思います。



I

 

 

 

「グリーンリース」という仕組みをご存知ですか?

2016/11/2


最近、ビルの省エネ業界では「グリーンリース」という言葉がトレンドになっています。


「グリーンリース」と聞いた時、一般の人はクリスマスリース(Christmas wreath)のような花輪をイメージするようです。

同じリースでもこちらは“Green lease”不動産用語として使われている言葉です。


グリーンリースとは、ビルを所有するオーナーと部屋を借りるテナントが協働し、不動産の省エネなどの環境負荷の低減や執務環境の改善について契約や覚書等によって自主的に取り決め、その取り決め内容を実践することをいいます。

この取組により、ビルオーナー・テナント双方が光熱費削減等の恩恵を受けるだけでなく、省エネルギーやCO2排出量削減にもつながります。


出典:環境不動産ポータルサイト(国土交通省 土地・建設産業局)



海外ではすでに法制化していたり、表彰制度が設けられていたり、政府機関が民間ビルを賃借する際にグリーンリースの締結が義務づけられていたりと、先進的な国ではすでに取り組みが進んでいますが、日本国内での取り組みは始まったばかりと言えます。


国では国土交通省・経済産業省・環境省が、東京都では東京都環境局が広く普及するために知恵を絞っています。


国では「平成28年度業務用ビル等における省CO2促進事業」というグリーンリース契約等を締結するための補助金交付事業が今年度から始まっています。


東京都でも「グリーンリース普及促進事業」として都内の中小テナントビルを対象に補助金交付事業が始まり、当センターが執行団体になっています。

ビルオーナーとテナント間でのグリーンリース契約を条件に、ビルオーナーに対して設備改修費用等の一部を助成するものです。



なぜ、行政はグリーンリースを普及したいと考えるのでしょうか。


全世界が協力してCO2排出量を削減していかなければ持続可能な未来が見通せない状況の中で、日本では2030年までに2013年度比26%、長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すことを位置付けています。中でもオフィスなどの業務部門は増加傾向であり、この部門を重点的に削減していく必要があります。


これまでも、個々の事業所に対してCO2排出削減のための補助金等の支援を行ってきましたが、手がつけづらかったテナントビルに入居する事業者の取組に対しても後押しをすることになったというのが背景です。


 

グリーンリースは、例えば、Aビルに入居するB株式会社が、FLR蛍光灯をすべてLED照明に更新したいといった場合に、ビルオーナーAが設備改修費を負担し、設備改修によって削減できた光熱費をオーナーAとテナントBで分け合うという仕組みです。



少なくないコストがかかるため、設備改修に消極的なビルオーナーも多い中、この部分に補助金を充当できれば、投資回収期間が短くなるため、制度普及のためには補助金は有効だと考えられます。



クール・ネット東京も、省エネBefore&After事業の一環としてこの取り組みができたらよいのですが、当然、補助金の対象外となります。やむなく断念しました。



民間の中小規模事業者でテナントビルに入居されている皆様は、ぜひ、グリーンリースをご検討ください。




参考資料:


諸外国におけるグリーンリース・ガイド等の整理(環境不動産普及促進検討委員会事務局)


環境不動産ポータルサイト(国土交通省 土地・建設産業局)





 

 

 

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