事例で知る「燃費のいい家」
プロが解説!「燃費のいい家」住まい手インタビュー~ファミリー編~

太陽光パネルを設置したり、断熱性能を高めたりすることで、光熱費を抑えつつ、一年中快適に過ごせる「燃費のいい家」。関心はありながらも、「実際にどれだけ光熱費を抑えることができるの?」「どれだけ効果が感じられる?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。東京都大田区に燃費のいい家を構え、お子さま2人と暮らすHさんご夫婦に、住んで実感したメリットを伺いました。さらに、この家を手がけたヤマト住建株式会社の荒谷圭軌さんから、燃費のいい家を実現するためのポイントをご紹介いただきました。
快適なおウチで子どもたちも笑顔いっぱい
もともと賃貸マンションに住んでいたというHさん一家。「室内の気温が、外の気温に左右されやすいのが悩みでした。エアコンをつけていない部屋では過ごしにくかったです」と振り返ります。燃費のいい家に関心を持つようになったのは、友人の家でのお泊りがきっかけでした。「断熱性能が高く、冬にもかかわらずとても快適。屋根には、太陽光パネルが設置されていました」。

「そろそろマイホームを」と考え始め、燃費のいい家について本格的に検討し始めますが、ネックになったのは費用面です。「思った以上に高額で、一時は諦めようと思ったほど。そんなとき東京都や国による助成金制度を知り、試算してみるとかなりの金額を賄えることが分かりました」。Hさんが利用したのは、住宅の断熱性能などの水準によって最大240万円が助成される「東京ゼロエミ住宅」(東京都)と、高い水準の新築住宅などを取得する子育て世帯・若者夫婦世帯を対象とする「こどもエコすまい支援事業」(国)の2つです。
そうして太陽光パネルを設置した燃費のいい家が完成。入居してから1年ほどが経ちました。「特にエアコンの稼働が多い冬季には、太陽光パネルのメリットを実感。光熱費が以前と比べて5~6割にまで抑えられています」。蓄電池も設置したことで、日中に太陽光パネルでつくった電気を夜間に使うことができ、さらなる光熱費削減につながっています。
燃費のいい家は、子育てのしやすさにも一役買っているのだとか。「お風呂上りや、就寝時に布団がずれてしまったときにも、家全体が暖かいので身体を冷やす心配が少なくなりました」。
子どもたちも「今の家が大好き!」と笑顔いっぱい。「将来子どもたちが自分の家を持つとき、燃費のいい家をもっと気軽に選べるようになっていたら素敵ですね」と話してくださいました。
長い目で見れば燃費のいい家が断然おトク
燃費のいい家を実現するためのポイントを、ヤマト住建の荒谷圭軌さんに教えていただきました。「太陽光パネルは、居住する人数に合わせた容量を選ぶこと。一人当たり1kW以上から考えていただくのが目安です」。5人家族であれば5kW以上の太陽光パネルを設置することで、家庭で使う電力を十分にカバーできるのだとか。「蓄電池も、太陽光パネルと同程度の容量(例えば5kWの太陽光パネルであれば、蓄電池は6kWh程度)のものを選ぶのが、つくった電気を無駄なく使うコツ」。
燃費のいい家を建てる際には、助成金の利用も検討を。「東京都で新築の戸建て住宅を建てる場合、助成金を活用すると太陽光パネルの設置費用が約3分の1程度、蓄電池の設置費用が半分程度に抑えられる可能性が高いです」。

燃費のいい家は初期費用はかかりますが、月々の光熱費を削減できるため、むしろおトクになるのだとか。一般的な住宅では、月々2〜3万円ほどの光熱費がかかるケースが多いですが、断熱等級6以上の住宅なら5000円~1万円程度に収めることができ、さらに太陽光パネルや蓄電池があれば光熱費がかからない場合も。
メリットは経済面だけではありません。「燃費のいい家は断熱性能が高いため、室温が外気に左右されづらくなります。そのため、風邪やヒートショックなどのリスクが高まる冬でも、居心地のいい室温を維持することができるのです」。家計に優しく、快適な「燃費のいい家」は、家族の健康も守れるというわけです。
撮影協力:ヤマト住建株式会社