テナントビル(オフィス系)の省エネ対策

テナントビル(オフィス系)の省エネルギー診断の事例をご紹介しています。具体的な省エネ対策の内容や効果について説明しています。
概要
建物の概要
| 建物種別 | テナントビル(オフィス系) |
|---|---|
| 延床面積 | 1,263m² |
| 階数 | 地上7階 |
| 使用エネルギー | 電気、上下水道 |
エネルギーグラフ
- CO2排出量の削減効果
-
18.0 t-CO2/年 削減
- 光熱水費の削減効果
-
824,000 円/年 削減
目次
運用改善による省エネ対策
エネルギー管理体制
エネルギー管理体制の構築
削減効果
- CO2排出量
-
2.56 t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
115,000 円/年 削減
対策概要
下表に該当する対策を実施することにより、右欄に掲げる省エネ効果が得られると言われています。今回は表の1、3、4を実施し、エネルギー使用量の削減を図ります。
| No. | 設問 | 可能最大省エネ率 |
|---|---|---|
| 1 | エネルギー管理体制の整備・確立がなされていますか | 1% |
| 2 | エネルギー原単位の管理をしていますか | 1% |
| 3 | 省エネルギーの管理目標を設定していますか | 1% |
| 4 | エネルギーデータを記録し活用していますか | 1% |
| 5 | 機器の定期的な保守・メンテナンスをしていますか | 1% |
| 合計 | 5% |
空気調和設備
空調設定温度の適正化
削減効果
- CO2排出量
-
3.01 t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
121,000 円/年 削減
対策概要
エアコンの設定温度をそれぞれ1℃緩和し消費電力の削減を図ります。1℃の緩和により空調負荷(空調消費電力)を約10%削減出来ると想定します。
Before
- 消費電力量
-
61,646 kWh/年
After
- 消費電力量
-
55,481 kWh/年
空気調和設備
空調設備の点検・清掃
削減効果
- CO2排出量
-
3.01 t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
121,000 円/年 削減
対策概要
室外機のフィンコイルを定期的に薬品洗浄することで空調機効率の低下が防止され、消費電力の低下(省エネ)となります。
Before
- 消費電力量
-
61,646 kWh/年
After
- 消費電力量
-
55,481 kWh/年
換気設備
全熱交換器の運転改善
削減効果
- CO2排出量
-
0.905 t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
36,000 円/年 削減
対策概要
全熱交換器が設置されていますが、空調設備が稼働しているにもかかわらず、スイッチがOFFになっていました。全熱交換器は換気の際に捨てられてしまう室内の暖かさや涼しさを再利用(熱回収)しながら換気する省エネ装置です。空調設備が稼働している際は、全熱交換運転を行うことで、空調機の電力使用量を削減することが出来ます。
Before
- 消費電力量
-
61,646 kWh/年
After
- 消費電力量
-
59,797 kWh/年
照明設備
照度の適正化
削減効果
- CO2排出量
-
0.182 t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
7,000 円/年 削減
対策概要
照度を測定したところ1,410Lxありました。東京都では500Lxを推奨しています。推奨照度は500Lxですが、まずは2割ほど間引きを行い、電力使用量の削減を図ります。
Before
- 消費電力量
-
1,858 kWh/年
After
- 消費電力量
-
1,486 kWh/年
設備改善による省エネ対策
照明設備
高効率照明器具の導入(LED)
削減効果
- CO2排出量
-
7.92 t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
317,000 円/年 削減
投資金額
| 投資金額 | 2,989,000円 |
|---|---|
| 投資回収年数 | 9.4年 |
対策概要
従来型の照明器具を使用されています。従来型の照明器具はLED照明と比べると効率が低く、寿命も短いため、ランプ交換の頻度も多くなります。
既設の照明器具をLED照明に更新し、電力使用量の削減と長寿命化を図ります。
Before
- 消費電力量
-
28,909 kWh/年
FL20W×1灯:7台
After
- 消費電力量
-
12,716 kWh/年
LED【FL20W×1灯相当】:7台
照明設備
高効率照明器具の導入(誘導灯)
削減効果
- CO2排出量
-
0.39 t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
16,000 円/年 削減
投資金額
| 投資金額 | 140,000円 |
|---|---|
| 投資回収年数 | 8.8年 |
対策概要
蛍光灯誘導灯が設置されています。蛍光灯誘導灯はLED誘導灯と比べると効率が低く、寿命も短いため、ランプ交換の頻度も多くなります。
蛍光灯誘導灯をLED誘導灯へ更新し、ランプの長寿命化と電力使用量の削減を図ります。
Before
- 消費電力量
-
920 kWh/年
After
- 消費電力量
-
123 kWh/年
エネルギー計測・管理設備
デマンド監視装置の導入
削減効果
- CO2排出量
-
— t-CO2/年 削減
- 光熱水費
-
91,000 円/年 削減
投資金額
| 投資金額 | 320,000円 |
|---|---|
| 投資回収年数 | 3.5年 |
対策概要
使用した電力の最大値がそのまま契約電力になっています。デマンド監視装置を導入して、目標最大電力を超えないよう監視し、電気料金の削減を図ります。
Before
- 最大電力
-
65 kW
After
- 目標最大電力
-
59 kW(10%低減)

