太陽熱利用システム(太陽熱利用システムの仕組み)

太陽熱利用システムの仕組み

現在市販されている太陽熱利用機器は、太陽熱温水器とソーラーシステムに大きく分けられます。
太陽熱温水器は集熱器と貯湯槽が一体となっていますが、ソーラーシステムは、屋根の上で太陽の熱を集める集熱器と、お湯を貯める貯湯槽・熱をためる蓄熱槽とが分離しているのが特徴です。

太陽熱温水器(自然循環式)

「太陽熱温水器(自然循環式)」は、集熱器と貯湯槽が一体となり、動力を使わないのが特徴です。水や熱媒を集熱器内に流し、「お湯は水より軽い」という原理を利用して、効率よく水を温めます。
水を集熱器で直接温めるタイプでは、集熱器内で温められ比重が軽くなった水が貯湯槽へ戻り、入れ替わりで貯湯槽内の冷たい水が集熱器に流れ込みます。その水が温まるとまた貯湯槽へ戻り...という繰り返しにより、貯湯槽に高温の湯を貯めていきます。ポンプを使わず自然の原理で循環させているので「自然循環式」と呼ばれています。お湯を使用した後は自動で水が補給されるため、特別な操作は必要ありません。
貯湯槽が満水になったときの機器全体の重さは300kg~400kgくらいになります。築年数の古い住宅などで、家の強度や屋根の状態などが心配な場合は、事前に工務店等の点検を受けることをおすすめします。

メリット

  • 構造がシンプルなので設置費用が比較的安価。
  • 化石燃料を使わず、動力を使わないため、CO2排出削減効果が大きい。
  • 太陽の光(熱)さえ当れば、効率よく、高い温度のお湯をつくることが出来る。
  • 既築の住宅への取り付けが可能。

ソーラーシステム(強制循環式)

ソーラーシステムは、集熱器と貯湯槽・蓄熱層が独立しているのが特徴です。温められた熱媒や空気をポンプなどの動力によって循環させるため強制循環式と呼ばれます。

<液体式ソーラーシステム>

集熱器内には、直接水を流すのではなく、熱媒となる不凍液が流れています。集熱器で温めた不凍液を循環させ、地上などに設置した貯湯槽内の水を温めます。不凍液を床下に循環させるなどして、暖房に利用できるシステムもあります。
パネル部とタンク部の温度差をセンサーで検知して、パネル部の温度の方が一定以上高くなったらポンプを動かして不凍液を循環させ、熱を回収するよう自動でコントロールしています。スイッチのオン・オフなどの日常的な操作は必要ありません。

メリット

  • 屋根の上に貯湯槽を置かないため、屋根や家へかかる重量が軽く、かつ、屋根のデザインを大きく損なわない。
  • 化石燃料を使わないため、CO2の排出量を削減できる。
  • 不凍液と水道水の配管が分離されているため衛生面での心配が少ない。
  • エコキュートやエコジョーズなどの高効率給湯器と組み合わせることが可能なシステムもある。
  • 既築の住宅への取り付けが可能。

<空気式ソーラーシステム>

太陽の熱で空気を温めるシステムです。屋根面や壁面に設けた集熱器内に空気を通し、太陽熱で温まった空気を床下に運び床を温めたり、室内に循環させて暖房に利用することができます。温めた空気を給湯にも利用できるシステムもあります。

メリット

  • 屋根面や壁面と一体化した機器を使用するため、家のデザインを損なわない。
  • 化石燃料を使わないため、CO2排出量を削減できる。
  • 太陽の熱を集め建物に蓄えることで家をまんべんなく温めることができる。
  • 暖房費用を大幅に削減することが可能。

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