「電源・地域」に着目した契約

特定の地域や電源からの調達を図るために、その地域の地域新電力や当該電源を調達する小売電気事業者と随意契約等により需給契約を締結する事例があります。供給先としては、保育園や児童館など、地域交流をモデル的に示しやすい施設が選ばれることが多いです。

姉妹都市の地域新電力との契約事例(荒川区)

荒川区は、2020年4月より姉妹都市の秩父市が出資する秩父新電力㈱より「ちちぶ産再エネ」等の電力を購入している。対象は、荒川区直営の低圧施設・88件で、幼稚園・保育園・学童クラブ等が含まる。区内の再エネ設置可能量が限られる中、エネルギー資源が豊富な秩父市から再エネ電気を調達し、支払われた電気代収益はちちぶ地域の経済活性化に結びつく。またこれを契機として、今後区内の子ども達がちちぶ地域でエネルギー学習をする等、地域間交流の促進を目指す。
以下のような特命理由に基づき相手方指定により契約締結を行っている。

※秩父新電力「2020年度から姉妹都市・荒川区に電力供給を開始します」・荒川区「随意契約調書(令和2年度)

県営水力の調達を目的とした契約事例(世田谷区)

2017年4月より長野県の水力発電所からの電気を40の区立保育園や児童館などに供給開始。自治体が水力発電の電気を都内自治体に供給する事例としては全国初。長野県庁の職員が供給先の保育園を訪問し、園児と交流を図ったり、園児達から県側に手紙を送るなど電力連携を契機とした交流が図られている。
電力はまず丸紅新電力が0.5円上乗せした単価で買取り、みんな電力が東京・中部・関西電力管内で販売する。その一部を区立保育園で使用すべく、世田谷区とみんな電力が随意契約により契約締結している。

※長野県企業局作成(2017年時点のスキーム図)