基本的な電気料金の構造

基本料金は基本的に供給力(電源)確保等に係る固定費分回収のための経費負担として考えられ、従量料金は電力使用に伴う可変費的な負担として考えられます。その他、燃料調整費や再エネ賦課金については別ページにて解説します。

 

基本料金(基本料金単価 × 契約電力(kW) × 力率割引・割増)

使用量によらず毎月支払う固定料金。電気事業者は、30分ごとの需要量に対する供給能力(kW価値)を確保し、実際に送電するために、発電所の建設・運営、変電所電線、電柱といった送電設備、電力使用量を計測するメーターなど、様々なインフラを整備している。こうした長期的な固定費を回収するのが、基本料金の役割となる。契約電力の決定方法には、大きく「協議制」と「実量制」の2つがある。協議制は電力会社との協議により契約電力を決定する。また実量制は、過去12ヵ月の月間最大需要電力のうち、最も高い値となる(契約電力は変動する)。一般的に契約電力500kW以上が協議制で、500kW未満が実量制を取っている。
自社で発電所など電気関連設備を保有していない新電力会社は、基本料金が安くなる傾向がある。そのため、電力使用量が少ない施設などは、基本料金の負担が相対的に高くなり、こうした新電力に切り替えることで電気料金が安くなる可能性がある。

電力量料金(電力量料金単価 × 使用電力量(kWh))

使用電力の分だけ従量課金される可変費用。基本的に電気量料金単価には、電力調達に係る限界費用(kWh価値)を計上する。
新電力会社によっては、自社電源を持たず、電力卸市場からの変動単価での調達や、発電事業者との相対契約による固定単価での調達により電力供給を行っているため、基本料金を設けず、電力使用量に基づく従量課金のみのメニューを提供しているものもある。
新電力会社の多くが、東電・中電など大手電力会社の標準メニューと同程度(16円/kWh程度)か、それより少し安い単価を目指している。一方で、既設の固定費回収が終わった電源を保有する旧一電は、それらを活用した割安メニュー(14.40円/kWh程度)も提供でき、一般的に使用量の大きい需要家にとってコストメリットを発揮する。