燃料調整費・再エネ賦課金

需要家の電力の使用とは直接関係のない項目ですが、発電に必要な燃料の価格動向に合わせた料金調整や、国民全体で負担すべき再エネ拡大の負担を決めるものです。燃料調整費は単価がマイナスとなることもありますが、再エネ賦課金は再エネの普及と共に単価が上昇し続けています。

燃料調整費

発電量に影響する燃料(原油・LNG・石炭)の価格変動を迅速に料金へ反映させるための費用項目。料金メニューの算定ベースとなった基準燃料価格と直近3ヵ月の平均燃料価格の差に基づき単価を決定する。各燃料の市場価格において上がり基調であればプラスとなり、下がり基調であればマイナスにもなる。東電EP等の旧一般電気事業者ごとに月毎の単価が発表される。 燃料調整費は、火力発電の燃料の価格変動を考慮したものだが、現状では電力卸市場に卸されている電気の大半が火力発電によるものであり、再エネの大半を占めるFIT電気はこの市場価格によって調達価格が決定する。新電力事業者も、旧一電の料金動向に合わせるため、燃料調整費を料金メニューに含んでいることが多い。

※電力・ガス取引監視等委員会「第53回 制度設計専門会合事務局提出資料(令和2年12月15日)

再生可能エネルギー発電促進賦課金( 再エネ賦課金)

再生可能エネルギー固定価格買取制度( F I T )において、再エネ電気の買取価格の一部をすべての需要家で広く負担するもの。全国一律の単価により、電気の使用量に応じた賦課金として、電気料金に上乗せして需要家から預かり、費用負担調整機関に納付する。
再エネ賦課金は、賦課金単価に使用電力量を掛け合わせて金額決定する(その他の電力料金項目とは別に計算し、端数切捨て後、全体に合算する)ため、使用電力量が多い需要家は賦課金額が大きくなる。そのため年間使用量が100万kWhを超え、売上高に占める電気料金の割合が高い事業者には2~8割減免する制度が設けられている。
賦課金単価は国の委員会にて年ごとに決定し、毎年5月から新単価に移行する。再エネ普及が進むにつれ、年々単価は上昇している。

※資源エネルギー庁公表の毎年度の賦課金単価を元に作成